2024/08/10 17:18
31年ぶりの北海道サイクリング11日間、思い出に残った出来事ベスト10をご紹介します。
第3位 新得町のぽっぽの道 10キロ続く廃線後のグラベル
4日目、清水町を出発して次の町、新得町に向かいます。駅前から国道と並行する道を走っていたら、新得町SL広場の案内があり、D51の機関車が展示されていました。これでツアーで見る機関車は3台目ですが、とりあえず確認してみました。案内板によると、この先10キロにわたって廃線跡の道路が続いているそうです。馬、徒歩、自転車専用の未舗装路で、ツーリングマップルには何も記載されていませんし、Googleマップでも道が表示されていません。
早速走ってみると、車の轍もなくフラットで走りやすく、両脇の草刈りも行き届いており、とてもきれいな未舗装路でした。新得町はそばの産地とのことで、国道38号線はそば街道としても知られています。最初の約6キロは平坦で直線的です。途中にはバッタ塚という駅名の案内板があり、明治13年から18年にかけて大量発生したトノサマバッタの死骸を埋めた小山があることが解説されています。
さらに先に進むと、まりも橋という駅があります。ここは昭和26年に脱線事故があった場所だそうです。
この辺りからラスト3キロは、それまでのど平坦で直線的な道とは異なり、上り坂がくねくねと続きます。Googleマップには全く表示されていない道なので、国道から離れていくとめちゃくちゃ不安です。最後は新内駅に着くという案内板の情報だけを信じるしかありません。ラスト200mほどは砂利道で、前輪が埋まらないように慎重に進みました。もし夕暮れや夜だったら、ここは絶対にヒグマが出そうな場所だと思いました。少し怖かったですが、終点の新内駅には無事到着しました。ここでもまたSLが展示されていました。
第2位 日本の最北端、11,285日ぶりの宗谷岬での出会い
7日目は稚内駅のすぐ近くの民宿に宿泊し、朝8時にスタートして28キロ先の宗谷岬までの往復を目指しました。出発して1時間ちょっとが経った頃、宗谷岬に近づく直前で、最北端のセイコーマートとみいそ店から「北海道一周中」という看板を掲げたロードバイクが出発しました。ちょうど私の前についたので、挨拶を。「どこから来たの?」「どこに行くの?」といった定番の会話をしながら進みました。
その若者は25歳で、函館からテント泊で時計回りに北海道一周を計画しているとのことでした。さらに「自転車屋です」と。となったらどこの自転車屋さんですか?って質問しないわけにはいきません。なんと答えが「サイクルベースあさひ」と。これには驚きました。自分がその「あさひ」で11年前まで働いていたと話すと、さらに意気投合しました。
宗谷岬に到着して記念撮影をした後、イワプッチステッカーをプレゼントすると、さっそくフロントフォークに貼ってくれました。しかも彼は「けんたさんの輪行動画を見たことがある!」と喜んでくれました。こんな偶然があるんですね。初めての方でも私の動画を見てくれている方に出会うことが時々ありますが、最果ての地、宗谷岬でそれが起こるとは思いませんでした。しかも、彼が25歳で、息子とほぼ同じ年齢ですし、あさひで働いているというのもまた驚きです。とても特別な出会いでした。